“手術”を行います!!
今朝は、ちょっとだけ太陽が顔を出しました。 が・・・今は強い風が吹き、雨が降ってきてしまいました。
昨日はJリーグホーム開幕戦が・・・アルビレックス新潟vs.ジュビロ磐田は「1-1」の引き分けで終わってしまいました。
残念ではありましたが、久しぶりにJリーグの雰囲気をあじわうことができました。
今回は芝生の作業についてのお話を!
第2弾は “更新作業” を紹介します。
「更新作業ってなに??」
芝生は生育とともに地中に根を伸ばし、地表面近くは芝生の根でいっぱいになります。
そこへ芝生を利用される方の体重等が加わることで、床土が締め固まってしまいます。
床土が硬くなってしまうことで、
◆芝生の生育に必要な “新鮮な空気” を根が吸えなくなってしまう
◆芝生に水が溜まってしまい、 “芝生の生育” “試合” に支障を来してしまう
◆根が老化してしまい、“芝生の生育” が悪くなってしまう
◆地面が硬くなることで選手へ負担がかかり、 “ケガ” につながる場合がある
などの状態になってしまいます。
このような状態を防ぐために、芝生のグラウンドに無数の穴をあける作業を行います。
この作業を “更新作業” と呼びます。
芝生の状態や時期により “穴の大きさ” “穴の深さ” を変えてあげます。
写真は穴をあけるための道具で “タイン” と呼ばれるものです。
《左写真》 左の2本は“ムクタイン” 右2本は“コアリングタイン”
《右写真》 クロスタイン
今回はナイフ状のタインを使用します。
芝生の生育状態や作業方法によって違ってきますが、グラウンド1面に、なんと!!1,500,000本ほどの穴をあけることになります。
穴をあける作業以外にも、地表面に集積したサッチ(枯れ葉・古い根)をかき出す作業も行います。
更新作業を行うことで、
◆通気性や透水性が向上する
◆床土の硬度が緩和され緩衝力が向上する
◆根の伸長を促進する
◆サッチの除去と分解を促進する
このような効果が現れます。
ただ、芝生を活性化させる反面、芝生は大きなダメージを受けてしまいます。
“人”で言えば・・・“手術”を行うようなもの。
ダメージを受けた芝生は、一時的に体調を崩してしまいますので、更新作業は芝生の健康状態をチェックしながら行います。
“ムクタイン” “クロスタイン” などは、芝生に穴をあけるだけの作業ですが、 “コアリングタイン” はタインが中空になっているので、作業後は、このような状態になります。
1,500,000匹の“イモムシ”(←?)みたいなものがいっぱい!!
この“イモムシ”を “コア” と呼んでいますが、このコアについて、ちょっとだけ・・・
スタジアムではサッカーなどの競技のために “白いライン” を引きます。
サッカーからラグビー等へラインを切り替える時には、サッカーのラインを “緑色のライン液” で消してから、ラグビー等のラインを引いています。
このライン液は土壌中に溜まってしまうため、抜けてきたコアも色つきなんです。
《写真左から》
ラインを引くことのない場所のコア【砂の色】
白いラインを引く回数が多い場所のコア【白色】
白いラインを緑色のライン液で消す回数の多い場所のコア【緑色】
穴をあけた後は、“目砂” を行います。
目砂を行うことで、
◆グラウンド表面を均一にする
◆グラウンド表面を早く回復させる
◆サッチの集積を抑制する
◆芝生の生長点を保護する
など、品質の高いグラウンドにすることができます。
更新作業には、ここで紹介した以外の作業方法もいっぱいあります。
今回は、芝生を元気にさせるための“手術” のお話でした。。。