芝生のはてな

2013年10月 1日 (火)

起き上がる芝の種!?

日差しが強く、グラウンドにいると肌にジリジリと感じてしまいます。

そろそろ雨が欲しいところですが・・・

                  

今日の作業は“液体肥料散布”を行い、その後は日光浴かな???

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日光浴とはいえ! 10月に入り日照時間もどんどん少なくなってきています。

寒地型芝草の場合、いい状態を保つには最低5時間程度の日照時間が必要だと言われています。

屋根の影響で南側の一部では一日の日照時間が1時間ほどになってきています。

これから、どんどん日影の居座る時間が長くなり、全く陽の当らないエリアが広がっていってしまいます。

気温や地温は生育適温に達しているのですが、春と違い、日照時間が確保できないため、芝生管理には苦労してしまいます。

                               

そんな中でも芝草の種は芽を出し、空に向かって精一杯伸びようとしています。

『種は芽を出す前に起き上がるsign02

実際に起き上がるんですsign03

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腕の悪さもあり写真では分かりにくいですが、上の写真の赤〇の中の種を見てください。

種は芽を出す前に“根っこ”を出しますが、“根っこ”を確り砂の中に差し込み、種を安定させ発芽を始める準備をします。

“根っこ”を砂の中に差し込んだ時に種が起き上がるというわけです。

植物の世界ではごく当たり前のことだとは思いますが、改めて植物が不思議な力を持っていることを感じてしまいます。

“緑”“花”に囲まれた生活って心癒されますよね!

東北電力ビッグスワンスタジアムがある新潟県スポーツ公園には多くの方が“癒し”を求めに来られます。

こんなスポーツ公園で体を動かしたら! 更に気持ちがいいですよ!!

                          

                                  

スポーツ公園エンジョイラン!  

そんな思いにピッタリのイベントがsign03

「スポーツ」「食欲」を一緒に楽しむことができるイベントが10月19日(土)~20(日)に開催されますup

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(こちらをクリック→)『スポーツ公園エンジョイラン2013』

                   

マラソン大会のエントリーも一週間延長し、10月7日(月)まで受け付けいたします。

エントリーはこちらをクリック!

                          

両日とも、子どもたちに大人気のふわふわ遊具が勢ぞろい!

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子どもたちが楽しめる遊具の他にも、女性の方が楽しめる体験会や家族や友達同士で楽しめる企画も盛り沢山sign03

詳しくは→→→『スポーツ公園エンジョイラン2013』

10月19日(土)・20日(日)は新潟県スポーツ公園へrun

                            

2013年8月17日 (土)

寒地型芝草の「サマーディクライン」

8月も後半に入りました。

月曜日から僅かながら気温が下がるようですが、“予報”“予報”なので、どうなるのか・・・

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日差しは和らいだものの・・・相変わらず気温は高く・・・

寒地型芝草にとっては、この“暑さ”死活問題になってしまいます。

 

今日は寒地型芝草が、夏場の生育が落ち込んでしまう現象「サマーディクライン」についてのお話しです。

寒地型芝草を含めた大半の植物は「C3植物」、暖地型芝草(野芝・ティフトンなど)やトウモロコシ・サトウキビなどは「C4植物」、サボテンなどは「CAM植物」に分類されます。

C3植物は高温や紫外線に対する感受性が非常に高い植物です。

新しい“根っこ”“葉っぱ”をつくり体を成長させるための“炭水化物”を光合成で生産します。

生産された炭水化物のうち、呼吸や成長に必要なもの以外の余ったものは貯蔵養分として蓄えられ、春や秋の発根や発芽に使用されます。

しかし、夏季の高温時には、「光合成機能の低下」「発根機能の低下」「呼吸の増大」などにより、せっかく蓄えられた貯蔵養分が消費されてしまいます。

この消費が進むと、“根っこ”“葉っぱ”の生育を維持できなくなってしまいます。

地温が27℃以上になると新しい“根っこ”の発生が無くなり、生育していた“根っこ”も衰退し、地温が30℃を超えると更に進んでしまい、35℃以上になると完全にその機能を失ってしまうと言われています。

特に怖いことは、熱帯夜で地温が下がらないこと。呼吸による炭水化物の消耗が激しく、“根っこ”の衰退が促進されてしまいます。

これが、寒地型芝草に見られる「サマーディクライン」の仕組みです。

 

ちなみに! 午前11時現在の地温は・・・28.9℃

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サマーディクラインに負けないよう! 常に“透水性や通気性の確保”“適正な刈高”“肥培管理”などに取り組んでいます。

 

《陸上トラック改修》

いよいよ!第3工程の「エンボス加工」が始まりました。

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見事な凸凹が仕上がっていきます。

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“芝生”“人”もサマーディクラインには要注意!

 

2012年11月22日 (木)

“芝生の気持ち”

今日は一日 rainが降らなさそうなので肥料を散布します。

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芝草はもちろん! 植物や動物が生命活動を続けていくには栄養が必要です。

芝草は必要な栄養素を土壌中から“根っこ”を通して水と一緒に吸い上げ、“葉っぱ”で光合成し、必要な物質を生産しながら生命を維持しています。

スタジアムの芝草は“砂”という基盤で生活しているため、土壌中には養分を殆ど保持していません。 →→→ こちらをクリック

施肥の目的は土壌中に不足する養分を補い、ダメージに対応できるだけの生育を確保し、年間を通じて良好なコンディションを保つことにあります。

適正な施肥のためには、“芝草”“土壌”“肥料”の性質を十分に理解する必要があります。

ターフクオリティーを求められない芝生では、土壌養分の供給という観点から、刈り取った“葉っぱ”を持ち出さず、刈り取った“葉っぱ”の中の養分を芝地にかえすという方法もあります。

年間施肥量は芝生の使用目的、芝種、年間の刈り込み回数などによって違ってきますので、シーズン前に年間の肥料を要素別で設計をし、ベースとなる施肥計画を立てます。

その後は、芝生の生育状況や天候、使用頻度などによって回数を増減させていきます。

 

私たちは体調や気分で食べたいものを自分の意思で食べ、栄養を補給することができますが、芝草は自分の意思で栄養を補給することができません。

ターフクオリティーを確保するために施肥も刈り込みも大切な作業ですが、何よりも大切なのは『その時、芝生が何を求めているのか?』『芝生の体調はどうなのか?』『短期・中期・長期的な天候はどうなのか?』 芝生の立場で観察することが一番、大切なことなんです。

皆さんも、大切に思っている人の気持ちを理解してあげたいということが、自然と身についていると思います。

私たちは芝生にそんな“思い”を持っていますが、まだまだ「芝生の気持ち」を理解しきれていないかもしれません。。。

もっともっと“芝生”になりきれるよう頑張りますので、これからも応援よろしくお願いいたします。

 

 

2012年11月 9日 (金)

黄葉

先日、県内のmaple紅葉mapleを見に行ってきました。

天気も良く! ちょうど見頃になっており、赤・黄・緑の葉っぱが目と心を和ませてくれました。

 

どうして 葉を散らす前にこのような色の変化があるのでしょうか???

見た目の違いは黄色赤色かの違いだけですが・・・

『黄葉のメカニズム』

植物の葉っぱの中には“カロチノイド”と呼ばれる黄色の色素と“クロロフィル”と呼ばれる緑色の色素が存在します。

クロロフィルは葉の葉緑体の中にあり、光合成において光を吸収する役割をもっています。

クロロフィルは赤と青の光を吸収し、緑の光を反射させるため、葉が緑に見えるそうです。

なぜ、植物が緑の光を吸収(利用)しないのかハッキリとは分かっていないようです。

秋になり光が弱く、気温が低下し始めると、光合成でつくられるエネルギーよりも葉を維持するために消費されるエネルギーの方が大きくなるため、植物は葉を落としてしまいます。

同時に、クロロフィルも不要になりため次第に分解され、最後には消滅してしまいます。

クロロフィルが分解、消滅すると、元々含まれているカロチノイドが見えてくるため「黄葉」が起こるということです。

黄葉する植物の中で、カロチノイドが少ない葉は白っぽくなるそうです。

『紅葉のメカニズム』

カエデなどの植物も同様にクロロフィルの分解が進みますが、葉の中に元々含まれない“アントシアニン”という赤色の色素を合成するため「紅葉」が起こるということです。

カロチノイドと同じ程度にアントシアニンがつくられると「橙色の葉」になるそうです。

 

「黄葉」と同じような現象が芝生でも起きています。

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左の写真はお日様があたる北エリアの芝生右の写真はお日様が当たらない南エリアの芝生です。

写真では見にくいかもしれませんが、北エリアよりも南エリアに黄色い葉っぱが目立ちます。

南エリアはお日様が当たらないため光合成の効率が悪くなります。

光合成でつくられるエネルギーよりも葉を維持するために消費されるエネルギーの方が大きくなるため、南エリアに黄葉(黄化)が目立つというわけです。

暖地型芝草は寒地型芝草よりも生育温度が高いため、暖地型芝草が秋になると黄葉(黄化)するのはそのためです。

 

今日は・・・“芝生のはてな”ではなく“植物のはてな”でした!

 

2012年10月28日 (日)

“生長し始め” と “衰退し始め”

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昨日のJリーグでは大きな捲れが数カ所あったものの、前節までの傷み方とは違ってきました。

“根っこ”が伸長し始めていることがよく分かります!

 

芝草(植物)は“葉っぱ”が生活する地上部と“根っこ”が生活する地下部では生育に適した条件が全く異なります。

芝草は“水”がなくては生きていいけません。

“葉っぱ”は土壌中に水分があることで生育が旺盛になりますが、常に土壌中に水分があることで“根っこ”は伸長を止めてしまいます。

“根っこ”“水”を探し求めるため伸長しますが、常に“水”に触れていることで“水”を探し求める必要がなくなるためです。

“根っこ”が伸長を止めてしまうと、特に夏場の乾燥に弱くなってしまいます。

「丈夫な植物を育てるには丈夫な根を育てることが重要」

植物を丈夫に育てるには、土壌の“乾”“湿”を繰り返すことが必要なんです!

綺麗なお花を咲かせるにも、土壌の“乾”“湿”を繰り返すことが重要なんです!

“乾”の見極めは非常に難しいですが・・・芝草をよく観察することが大切です!!

ただ・・・“乾”“湿”を繰り返していても、“根っこ”が生育できる環境が整わなければ、新しい“根っこ”は出てきません。。。

               

寒地型芝草の生育適温《地温》は10℃~18℃と言われています。

ようやく生育適温に入り、新しい“根っこ”が伸び始めてきました。

Img_0165 ←白く見える“根っこ”が新根です。

 

地上部《茎葉》と地下部《根っこ》は年間の生育パターンが違います。

下図は暖地型芝草(a)と寒地型芝草(b)における地上部と地下部の標準的な生育パターンです。
Imgx280949520001_3 引用元はこちら

 

“根っこ”の生活する地温は生育適温に達しましたが、夜温もグッと下がり、“葉っぱ”が生活する気温は生育適温を割っています。

これから“根っこ”生長し始め“葉っぱ”衰退し始めます。。。

 

今日の芝生は作業もなくお休みの日!

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芝生の“顔色”を見て、具合の悪そうなセンターエリアとラインズマン走路には保温シートをかけて温かくしてもらっています。

 

皆さんも温かくして!十分な栄養と睡眠をとって!風邪などひかないようお気をつけください。

 

 

2012年10月25日 (木)

スポーツターフのお話し!

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今日はスポーツターフのお話しを少し!

 

「芝生」と一言でいっても色々な種類がありますが、サッカーなどの運動競技に使用される芝生(ターフ)をスポーツターフと呼んでいます。

スポーツターフには様々な条件が求められますが、サッカーを例に挙げてみます。

one 品質の高いスポーツターフには以下の条件が求められます。

 clip 擦り切れに強いこと

 clip 回復力が旺盛なこと

 clip 足場が確りと安定すること

 clip 茎葉が密であること

 clip 低刈りに耐えること

 clip スパイクなどの損傷に強いこと

 clip ある程度の弾力性があること

two スポーツターフの品質を評価する要素としては以下の事項が挙げられます。

 clip 均一性

 clip 茎葉の密度

 clip 芝草のきめ

 clip 生育習性

 clip なめらかさ

 clip 葉色  など・・・

three プレーイングクオリティーを評価する要素としては以下の事項が挙げられます。

 clip ボールの反発力《弾みの度合い》

 clip 転がり抵抗性

 clip 摩擦と引っ張り強度

 clip 硬さ

four 床土には以下の条件が求められます。

 clip 物理性が変化しにくい

 clip 物理性の回復が早い

 clip 芝草の生育に必要な養分・水分を保持できる

 clip 安定した硬度をもつ

 clip 地温の上下動に敏感である

 「four 床土に求められる条件」を満たせるものは →→→ こちらをクリック

 

品質の高いスポーツターフを育てるためには、いくつもの条件を満たす必要があります。

Jリーグで使用されるスタジアム(競技場)は、この条件を満たせるよう、1つでも多くクリアできるよう日々、並々ならぬ努力を重ねているというわけです!!

 

最近は「校庭芝生化」という言葉をよく耳にしますが、校庭芝生もスポーツターフの一つです。

新潟県内でも校庭を芝生化する動きが広まりつつあります。

校庭芝生化には“美観の向上”“砂塵の抑制”“怪我の抑制”“微気象緩和”“地域との交流”などの効果が期待できます。

東北電力ビッグスワンスタジアムの指定管理者である当グループの構成員である『財団法人新潟県都市緑花センター』では芝生緑化を普及させるための研究を行っています。

ちなみに・・・芝生管理責任者である私(K)は財団法人新潟県都市緑花センターの職員です。

ぜひ こちらもご覧ください →→→ 『芝生普及研究所』

  

今日はスポーツターフに関するお話しでした。

 

2012年8月26日 (日)

正反対の芝草たち・・・

スタジアムとスワンフィールドは正反対の生態を持つ芝草です⇒⇒⇒こちらをクリック!

 

スタジアムの寒地型芝草常緑型芝草とも呼ばれます。

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夏は冷涼で! 降雨が少なく! 冬は極端に低温になり過ぎず! 湿潤な気候に適応した種類です。

春季と秋季に生育旺盛期があります。

夏の高温時は成長が衰退する一方、冬も休眠することがないため、一年中!緑を保ちます!!

芝草は緑が美しく!柔軟・繊細で感触がいいのですが・・・耐暑性・耐乾燥性に乏しく、病気にかかりやすい欠点があります。

暖かい地域では夏期を中心に、育成管理には特段の配慮が必要となります。

 

スワンフィールドの暖地型芝草夏緑型芝草とも呼ばれます。

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温暖な地域に適応した種類で、耐寒性に乏しく、冬は休眠し、春季の気温上昇とともに萌芽を始め、盛夏期に生育旺盛期を迎えます。

夏季に緑が最も濃くなることから夏緑型と呼ばれます。

耐寒性が弱いことから低緯度地域に使用が限定されてしまいます。

地球温暖化(異常気象)の影響で適応地域が北上しているようですが・・・

 

『光合成』・・・学校で習いました!

小中学校レベルで言えば、緑色植物や光合成細菌が太陽光エネルギーを用いて、二酸化炭素から糖類などの有機物を合成すること!

光合成と温度の関係で見ても寒地型芝草暖地型芝草の違いがハッキリ分かります。

寒地型芝草の光合成量は(多くの種類で)10~15℃で最高となりますが、暖地型芝草は35℃前後で最高となり、暖地型芝草の方が圧倒的に生産量が多くなります。

 

植物って 知れば知るほど面白く!難しいものですね!!

もっともっと植物を知りたくなりませんかsign02 もっともっと植物に親しんでみませんかsign02

ぜひ こちらのサイトもご覧になってください!!

   ⇒財団法人新潟県都市緑花センター ~まちに花と緑を~

   ⇒新潟県立植物園

   ⇒新潟県スポーツ公園

   ⇒大潟水と森公園

 

2012年8月16日 (木)

色々な模様!

“刈り込み”は芝生管理の最も基本的な作業ということはお話ししてきました。こちらをクリックしてください。

刈り込みには決められたルールがあることや刈高にも理由があること・・・

そして! 見た目も重要であること!!

スタジアムによって“ゼブラ模様”が違います。 (クリック→)ピッチに“シマウマ”??

このゼブラ模様! 試合時には、それぞれのスタジアムで決めた模様をつけています。

当スタジアムでも、決めたゼブラ模様で統一しています。

 

『試合以外の普段はどうなの???』

普段は色々なゼブラ模様に変えるようにしています。 

試合と試合の間が短い場合は変えることが難しいのですが・・・

 

『どんな模様に変えているの???』

百聞は一見にしかず!!

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イベントの状況により、こんな感じでゼブラ模様を変えています。

 

Jリーグの際もシーズンによって模様を変えることもあります!

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『何のために模様を変えているの???』

「担当者のエゴ!?」なんて言われることもありますが・・・ちゃんとした理由があります。

searchじ方向にばかり刈り込むと葉の向きが一定方向になり、均一に芝生全体を刈ることができなくなってしまいます。 

結果的に刈り残しが出てしまい、不均一な芝生になってしまうという理由から、その都度、方向を変えているというわけです。

芝生の品質を評価する要素の中で、「均一性」も重要なことなんです!

 

ご家庭の芝生をリール式モアで刈られている方は、ぜひ刈り込みの方向を変えてみてください。

 

2012年8月10日 (金)

ルールがあります!

芝草は刈り込まれて始めて「芝生」と呼ばれるようになることから、刈り込み作業は芝生管理の最も基本的な作業となります。

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刈り込みを行うことでプレーイングクオリティーは高くなる反面、芝草にとっては生理的に有害に働きます。

それを補うために、肥料・薬剤・散水などを適宜行っています。

 

この基本的な作業を行うためにはルールがあります。

刈高は、芝生の特性を踏まえ、求められるターフクオリティーに応じて設定しています。

(クリック→) 『芝生にとっても! プレーにとっても!!』

競技内容や競技レベルなどにより変えているということです。

刈り込みには「1/3ルール」というものがあります。

刈り込みにより、芝草の回復に悪影響を与えない高さの限度を表したものです。

地面から葉先までの高さを3等分し、葉先からの1/3以上を一度に刈り落とさないというものです。

イベントの開催状況により、どうしても刈り込みができないケースがあります。

芝生は伸びてしまいますので、一度に刈り落とさず、数回に分け徐々に刈り落とします。

また、刈り込みに使用する機械(リール式モア)の刃は作業毎に切れ味を保つため、ラッピング(研磨)や微調整を行います。

切れ味が悪いと、葉が引きちぎられた状態となり、葉先がささくれ立ち、生育が一時的に抑制されてしまいます。

その他にも、刈り込み頻度や刈り込みパターン(方向)なども重要になります。

刈り込みは基本的な作業だけに、守らなければいけないことが多いんです。

 

皆さんのご家庭でも このようなことを実践していただくと、芝生の生育が違ってくると思います。  

 

2012年7月22日 (日)

芝生を駆け抜ける「風」

連日の暑さの中でも・・・今日は比較的涼しい(?)ようです。。。

朝と夜の涼しさは、人間にとっても寒地型芝草にとっても快適に過ごせます!

 

でも、この時期でこの気候・・・やっぱり変です。。。

これも異常気象の現れなんでしょうか???

 

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今日は! 「風」のお話しを少し!!

植物が健康に育つために「風」は欠かせません。

特にクオリティーが求められるスポーツターフには不可欠なもの!

 

なぜ!?

 

「風」は空気をミキシングして、芝生表面の炭酸ガス濃度を調整し光合成を助ける働きがあります。

また、芝生表面の水蒸気を移動させることで過湿を防ぎ、冷却させるため、芝生を暑さと病害から守り、健康に育てる効果があります。

 

芝生を健康に育てるためにスタジアムの構造には工夫があります!

(クリック→) “芝生にとって大切なもの”

 

それでも・・・芝生を駆け抜ける「風」は足りません。。。

そこで活躍するのが “大型送風機(←クリック)”です。

風の方向や気温・湿度などによって、大型送風機の設置場所・方向・台数などを微調整しています。

イベント開催時には主催者様のご協力をいただき、可能な範囲で大型送風機を設置したままにさせていただいております。

 

もう少ししたら、新たな取り組みを行います。

その取り組みとは???

時期が来ましたら! 『しばふ物語』の中でご紹介いたします!!

 

 

2012年6月25日 (月)

しばらく! 一睡もせずに働き続け・・・

今日あたりから気温が上がり暑くなりそうですsweat01

今週は! 比較的 天候も安定しているようで助かります。。。

 

“扇風機”“冷房”を使用するほどの暑さではありませんが・・・ちょっと動くだけで汗が出てしまいます!

 

“暑さ”が大の苦手な“スタジアムの芝生”は・・・これくらいの暑さでも葉っぱの伸びが少なくなったり軟らかくなったりすることがあります。。。

そこで! 昨日から「大型送風機」が仕事を始めました!

昨年より3日早い出番となりました!

『いよいよ!こいつの季節だな~ッ』なんてことを思いつつ 10台を配置につかせます。。。

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しばらく・・・この10台は一睡もせずに働き続けてくれます。。。

                       

扇風機ってどんな効果があるの???

 

芝生に“風”を送ることで以下のような効果が期待できます。

 ◆寒地型芝草の最大のストレスとなる気温の上昇を緩和する

 ◆朝露を払い、湿度(蒸れ)を下げることで罹病確立を低下させる

 ◆土壌表面の含水率を下げることで損傷の軽減を図る

 ◆利用後の損傷を早期に回復させる   など・・・

 

芝生を健全に育てるためには“日光”“温度”だけではなく、“風”も重要な要素なんです!!

 

いよいよ本格的な夏がやってきます! 

芝生にとっても・・・私達の生活にとっても・・・扇風機は必需品ですよね!!

 

2012年5月11日 (金)

芝生にとっても! プレーにとっても!

今日の作業は刈り込みです!

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よく・・・『どれくらいの高さで刈るんですか?』という質問をいただきます。

『一般的に寒地型芝草は25ミリ(±3ミリ)を基本としています』とお答えしますが・・・

なぜ25ミリなのか???

 

それにはちゃんとした理由があります!

芝草にはそれぞれ適正な刈高があります!!

ビッグスワンの芝生は“ケンタッキーブルーグラス”&“ペレニアルライグラス”&“トールフェスク”の寒地型芝草3種類でターフを育てています。

では・・・それぞれの適正刈高はどれくらいなのでしょうか?

 

oneケンタッキーブルーグラスの適正刈高は25~50ミリと言われています。

 danger低刈りに耐える新品種もありますが18ミリ以下で刈り込み続けると大抵の品種は劣化します。

twoペレニアルライグラスの適正刈高は38~50ミリと言われています。

 danger23ミリ以下で刈り込み続けると徐々に消失していきます。

threeトールフェスクの適正刈高は43~55ミリと言われています。

 danger30ミリ以下で刈り込み続けると徐々に消失していきます。

 

ちなみに・・・種類によっても異なりますが! 暖地型芝草の適正刈高は12~25ミリと言われています。

 

3種類の適正刈高を見ると43~50ミリということになりますが、Jリーグを始めとしたプロサッカーでは芝生の刈高がプレーイングクオリティーを大きく左右してしまいます。

芝生が短ければボールの転がりも良く、身体への負担も少なくなりますが、寒地型芝草は暖地型芝草に比べると適正刈高が高く、低刈りをすることでターフクオリティーが著しく低下してしまいます。。。

3種類の適正刈高を見ると25ミリ程度が一つの目安となることが分かりますが、プロサッカーでは・・・25ミリでも長いと言われます。。。

 

もちろん、芝生利用を含め、生育環境や管理水準などによっても適正な刈高は違ってきますので、上の数字が全てではありませんが・・・

競技内容や利用時期、芝生の状態によって、芝生にとってもプレーにとっても最適な刈高を設定しているというわけです!

 

今日は“刈高”に関する「しばふ物語」でした!

 

2012年4月15日 (日)

植物の面白さ!

今週は! まあまあ天気も良さそうで!!

 

昨日の“オレンジデー”には、期待通りのプレゼントをもらい・・・バンザ~イ バンザ~イ

芝生も嬉しそうで! いい顔をしています。

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今日も! お日様sunの光をたくさん浴び・・・体力をつけて!!

 

ちなみに・・・

太陽光線のスペクトルは、紫外線4%、可視光線44%、赤外線52%から成り立っているそうです。

このうち光合成に役立つ波長は“可視光線”の大部分と言われています。

可視光線に対し、紫外線と赤外線は人の目には見えない“不可視光線”と呼ばれる場合もあります。

目に見える可視光線を分かりやすく言うと・・・“虹”です。

虹の七色は、人の目で認識することができる色ですから、この可視光線の範囲に属している光であるということになります。

芝生とは離れてしまいますが・・・木陰の話を少し!

樹木の種類や季節によって、量や質は違ってきますが、針葉樹の場合、直射日光の15~44%の光が地面に届くと言われています。

その木陰の光の質は、光合成効率の高い橙・赤・青は樹木に吸収され、緑・黄・暗赤色は反射されます。

木陰が“緑陰”(グリーン・シェード)と呼ばれるのは、このためだそうです。。。

 

知れば知るほど! 植物って面白いですね!!

 

2012年4月 5日 (木)

“根っこ”は・・・“茎や葉”は・・・

なかなか暖かくなりません。。。

降ることはないと思いますが! Jリーグが開催される4月7日(土)には・・・曇時々雪

4月も中旬を迎えようとしているのに、どうなっているんでしょうか???

 

スタジアムの寒地型芝草は徐々に生育期に・・・スワンフィールドの暖地型芝草は全く動く気配もなく・・・

 

昨日、スタジアムとスワンフィールドの気温と地温を測ってみました!

先ずはスタジアムです!

          ↓“気温”は11.9℃                       ↓“地温”は12.6℃

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続いてスワンフィールドです!

         ↓“気温”は11.2℃                       ↓“地温”は8.4℃

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“寒地型芝草” と “暖地型芝草” の生育適温は・・・

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スタジアムは!

  “根っこ”が生活する地下部は生育適温に!

  “茎や葉”が生活する地上部は生育適温には達していませんが、生育に必要な温度には達しています。

スワンフィールドは!

  “根っこ”が生活する地下部、“茎や葉”が生活する地上部、ともに生育に必要な温度には達していません。。。

 

スタジアムの芝生も! スワンフィールドの芝生も! 健康な体づくりには「温度」も大切な要因であることが良く分かりますね!!

 

2011年12月15日 (木)

冬の足音・・・

微かに聞こえていた“冬の足音”が! いよいよ近くなってきました。。。

 

明日からはsnowsnowsnow → ピンポイント天気予報

 

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緑色の“ピッチ”が・・・真っ白に???

 

ところで・・・『ピッチ』という言葉をよく聞きますが! 『ピッチ』って一体何!? 

 

pitchとはイギリス英語のようで・・・アメリカ英語ではfieldと書くようです。。。

サッカーやラグビーの試合を行うグラウンドのことで、正確には「タッチライン」と「ゴールライン」に囲まれた部分がpitch(ピッチ)とされているようです。。。pitch.pdfをダウンロード