寒地型芝草の「サマーディクライン」
8月も後半に入りました。
月曜日から僅かながら気温が下がるようですが、“予報”は“予報”なので、どうなるのか・・・
日差しは和らいだものの・・・相変わらず気温は高く・・・
寒地型芝草にとっては、この“暑さ”が死活問題になってしまいます。
今日は寒地型芝草が、夏場の生育が落ち込んでしまう現象「サマーディクライン」についてのお話しです。
寒地型芝草を含めた大半の植物は「C3植物」、暖地型芝草(野芝・ティフトンなど)やトウモロコシ・サトウキビなどは「C4植物」、サボテンなどは「CAM植物」に分類されます。
C3植物は高温や紫外線に対する感受性が非常に高い植物です。
新しい“根っこ”や“葉っぱ”をつくり体を成長させるための“炭水化物”を光合成で生産します。
生産された炭水化物のうち、呼吸や成長に必要なもの以外の余ったものは貯蔵養分として蓄えられ、春や秋の発根や発芽に使用されます。
しかし、夏季の高温時には、「光合成機能の低下」「発根機能の低下」「呼吸の増大」などにより、せっかく蓄えられた貯蔵養分が消費されてしまいます。
この消費が進むと、“根っこ”や“葉っぱ”の生育を維持できなくなってしまいます。
地温が27℃以上になると新しい“根っこ”の発生が無くなり、生育していた“根っこ”も衰退し、地温が30℃を超えると更に進んでしまい、35℃以上になると完全にその機能を失ってしまうと言われています。
特に怖いことは、熱帯夜で地温が下がらないこと。呼吸による炭水化物の消耗が激しく、“根っこ”の衰退が促進されてしまいます。
これが、寒地型芝草に見られる「サマーディクライン」の仕組みです。
ちなみに! 午前11時現在の地温は・・・28.9℃
サマーディクラインに負けないよう! 常に“透水性や通気性の確保”“適正な刈高”“肥培管理”などに取り組んでいます。
《陸上トラック改修》
いよいよ!第3工程の「エンボス加工」が始まりました。
“芝生”も“人”もサマーディクラインには要注意!