芝生の作業日誌

2011年6月20日 (月)

芝生の素!!

「いよいよ梅雨に突入~ッ!」そんな感じの天気予報が・・・

     

梅雨が明けると、本格的な “夏” “夏” 夏”がやってきちゃいます!!

今年も“暑い夏”になるのでは・・・そんな予想もされています。。。

                     

東北電力ビッグスワンスタジアムの芝生にとって、最も過酷な環境である“夏”がやってきます。

“暑い夏”来るな~~!!

              

“暑さ”に負けず、“夏”を乗り切るために、「芝生の素」を蒔いています!!

                   

えッ!! 芝生の素!?

           

「芝生の素」とは『芝生の種』のことです。

寒地型芝草は種を蒔き続けることでしか、芝生の密度を保つことができません。。。

           

どんな種を蒔いているの!?

          

こちらをご覧ください (クリック→)   どうして・・・!?

                

           

今回は、こんな感じの播種機(シーダー)を使用します!

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こんな感じで作業します!

Img_5410  Img_5413

          

↑写真中央部にある“青い箱”から芝生の種を蒔いていきます。

ローラーについた1,208本の特殊スパイクで、表層部の通気性や透水性を改善することもできる「一台二役」の機械なんです!!

         

            

2011年6月16日 (木)

準備中!

Jリーグ ディビジョン1 第16節「アルビレックス新潟vs.ベガルタ仙台」に向け準備中です。

              

今日は、芝生の傷んだところを張り替えています!

張り替えといっても大々的に張り替えるのではなく、“ヘキサゴンプラガー”という道具を使用してスポット的に張り替えます。

             

Img_5249_2 ←張り替え前《南側ゴール前》 

Img_5250_2 ←張り替え部分の切り取り 

Img_5252_3 ←切り取り後 

Img_5257_2 ←張り替え用の芝生切り取り《ナーセリー(生産圃場)》 

Img_5260_2 ←芝生張り替え中 

Img_5276_2 ←張り替え完了

         

今回の張り替えは非常に少ない数で済みました!!

芝生が傷みやすい“夏”などは、1回で1,000個以上の入れ替えをすることもあります。。。

         

この方法は“メンダー張り替え”と呼んでいますが、それ以外には“ソッド張り替え”という方法もあります。

ソッド張り替えは、またの機会に紹介したいと思います。

                

2011年6月 2日 (木)

“夢”から“現実”へ!

夢のような“日本代表”の共演が終わり、今日からは現実に戻ります。。。

        

今日から、更新作業を行っています!  クリック→ 大手術

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キリンカップサッカー2011という“戦い”は終わりました・・・でも、次の“戦い”への準備が始まっています!!

2011年5月30日 (月)

どうなってるの???

“キリンカップサッカー2011”まで・・・あと2日!!

            

「第64回新潟県高等学校総合体育大会 陸上競技大会」も無事終わりました。

芝生利用につきまして、多大なご協力をいただき大変有難うございました。

          

さて、いよいよ「キリンカップサッカー2011」に向け、本格的な準備に入ります。

今回は、サッカーゴールについてのお話です!!

             

『サッカーゴールはどうやって立てているの??』

         

サッカーゴールには「移動式」「埋込式」があります!

Jリーグの開催スタジアムでは「埋込式」のゴールが使われており、東北電力ビッグスワンスタジアムも「埋込式」です。

           

『埋込式ってどうなってるの??』

         

文字どおり、「埋込式」なんです!!  答えになってませんよね!スミマセン。。。

実は・・・サッカーゴールを立てるための“ベース”が芝生の中に埋まっています!

              

                                         ↓写真中央 白線が切れている部分に埋まっています

Img_3466  Img_3467

            

カセット状のトレイを芝生から抜きます!

                                                ↓トレイを抜くと、こんな感じ!

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ゴールポストを立て、ゴール用のトレイをはめ込みます!

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サッカーゴールの設置完了です!

Img_3478  Img_3480

             

Jリーグなどの試合の度に、このような作業を繰り返します!

            

ちなみに・・・ラグビーゴールも同じような方法で立てるんですが、ラグビーゴールは非常に長く、重いため、慎重に・・・慎重に組み立てます!

               

 

2011年5月28日 (土)

今日は“ごちそう”です!

6月1日の“キリンカップサッカー2011”まで・・・あと4日!!

           

キリンカップサッカー2011「SAMURAI BLUE vs. ペルー代表」

    そして、

国際親善試合「U-22日本代表 vs. オーストラリア代表」

が、開催される6月1日に、芝生さいこ~ッ♪(最高)の状態で戦えるよう・・・今日は芝生に栄養満点の

“ごちそう”を食べてもらっています。

        

私は「肉」が大好きですが・・・芝生に「肉」は食べさせられません!

芝生には、栄養バランスの良い“肥料(液肥)”をお腹いっぱい食べてもらっています!!

            

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本日も、「第64回新潟県高等学校総合体育大会 陸上競技大会」終了後にフィールド照明を使用せず作業を行っています!

                 

2011年5月13日 (金)

芝生が・・・“真っ白”に!!

明日はJリーグ ディビジョン1 第11節 アルビレックス新潟vs.柏レイソルが14:00キックオフ!!

今日はその準備作業で“刈り込み”“サッカーゴール設置”“ライン引き“を行っています。

         

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今回は、その作業の中の“ライン引き”を紹介します。

タイトルの“芝生が真っ白に!!”というのは、決して雪☃が積もったわけではなく・・・ラインを引いた芝生が“真っ白に!!”

         

ラインは芝生専用のライン液とライン液用のラインカーを使用しています。

          

試合準備の中で、特に天候に左右されてしまう作業が、このライン引きです。

一度乾いてしまえば雨でも消えることはありませんが、乾く前に強い雨が降ってしまうとラインは消えてしまいます。

       

ライン引きは試合前日または当日に行うようにしていますが、試合準備は天気との“にらめっこ”

刻々と変化する空模様を見つめながら・・・「よしッ!これからラインを引こうッ!!」なんてことはよくあること。。。

          

芝生の脇には、このような(↓)“ポイント”があります。

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ちなみに・・・上のポイントⓈはサッカー、下のポイントⓇはラグビーで、その他には陸上競技用のポイントもあります。

     

このポイントに合わせ“ガイドロープ”を張ります。

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ガイドロープを張り終わると・・・(↓)こんな感じ!

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あとは・・・このガイドロープにラインカーを沿わせながら、“真っすぐ”にラインを引きます。

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ラインの幅は、サッカーが12㎝! ラグビーは11㎝! 陸上は5㎝!

ラインの総延長は、サッカーが約710m! ラグビーは約799m!

サッカーライン → football-line.pdfをダウンロード

ラグビーライン → rugby_football_line.pdfをダウンロード

          

難しいんですよ~! ラインを真っすぐに引くの・・・!

        

2011年4月25日 (月)

“手術”を行います!!

今朝は、ちょっとだけ太陽が顔を出しました。 が・・・今は強い風が吹き、雨が降ってきてしまいました。

        

昨日はJリーグホーム開幕戦が・・・アルビレックス新潟vs.ジュビロ磐田は「1-1」の引き分けで終わってしまいました。

残念ではありましたが、久しぶりにJリーグの雰囲気をあじわうことができました。

           

今回は芝生の作業についてのお話を!         

第2弾は “更新作業” を紹介します。

           

「更新作業ってなに??」

         

芝生は生育とともに地中に根を伸ばし、地表面近くは芝生の根でいっぱいになります。

そこへ芝生を利用される方の体重等が加わることで、床土が締め固まってしまいます。

床土が硬くなってしまうことで、

  ◆芝生の生育に必要な “新鮮な空気” を根が吸えなくなってしまう

  ◆芝生に水が溜まってしまい、 “芝生の生育” “試合” に支障を来してしまう

  ◆根が老化してしまい、“芝生の生育” が悪くなってしまう

  ◆地面が硬くなることで選手へ負担がかかり、 “ケガ” につながる場合がある

  などの状態になってしまいます。

           

このような状態を防ぐために、芝生のグラウンドに無数の穴をあける作業を行います。

この作業を “更新作業” と呼びます。

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                 Img_8273  

             

      

芝生の状態や時期により “穴の大きさ” “穴の深さ” を変えてあげます。

写真は穴をあけるための道具で “タイン” と呼ばれるものです。

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《左写真》 左の2本は“ムクタイン”  右2本は“コアリングタイン”

《右写真》 クロスタイン

       

今回はナイフ状のタインを使用します。

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「どれくらいの穴をあけるの??」

       

芝生の生育状態や作業方法によって違ってきますが、グラウンド1面に、なんと!!1,500,000本ほどの穴をあけることになります。

           

穴をあける作業以外にも、地表面に集積したサッチ(枯れ葉・古い根)をかき出す作業も行います。

           

更新作業を行うことで、

  ◆通気性や透水性が向上する

  ◆床土の硬度が緩和され緩衝力が向上する

  ◆根の伸長を促進する

  ◆サッチの除去と分解を促進する

このような効果が現れます。

              

ただ、芝生を活性化させる反面、芝生は大きなダメージを受けてしまいます。

“人”で言えば・・・“手術”を行うようなもの。

ダメージを受けた芝生は、一時的に体調を崩してしまいますので、更新作業は芝生の健康状態をチェックしながら行います。

             

“ムクタイン” “クロスタイン” などは、芝生に穴をあけるだけの作業ですが、 “コアリングタイン” はタインが中空になっているので、作業後は、このような状態になります。

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1,500,000匹の“イモムシ”(←?)みたいなものがいっぱい!!

この“イモムシ”を “コア” と呼んでいますが、このコアについて、ちょっとだけ・・・

          

スタジアムではサッカーなどの競技のために “白いライン” を引きます。

サッカーからラグビー等へラインを切り替える時には、サッカーのラインを “緑色のライン液” で消してから、ラグビー等のラインを引いています。

このライン液は土壌中に溜まってしまうため、抜けてきたコアも色つきなんです。

       

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《写真左から》 

ラインを引くことのない場所のコア【砂の色】

白いラインを引く回数が多い場所のコア【白色】

白いラインを緑色のライン液で消す回数の多い場所のコア【緑色】

    

穴をあけた後は、“目砂” を行います。

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目砂を行うことで、

  ◆グラウンド表面を均一にする

  ◆グラウンド表面を早く回復させる

  ◆サッチの集積を抑制する

  ◆芝生の生長点を保護する

  など、品質の高いグラウンドにすることができます。

           

           

更新作業には、ここで紹介した以外の作業方法もいっぱいあります。

            

今回は、芝生を元気にさせるための“手術” のお話でした。。。

              

 

2011年3月10日 (木)

シーズン中に80~90回も・・・!

今日は芝生の作業についてのお話を!

          

第1弾は、もっとも日常的に行っている刈り込みを紹介したいと思います。

タイトルの「年間に80~90回も・・・!」とあるのは、シーズン中に行う刈り込み作業の回数なんです。

天候やストレスの程度によって変わりますが、芝生の伸びが早い時は1日おきに作業を行います。

      

『そんなに~ッ!!』     ・・・って思われますよね~。

刈り込みは最も日常的に行う作業で、芝生を元気に育てるためにも重要な作業なんです。

Img_0585 ←昨年、撮影したものです。

     

リールモア(↑写真の機械です)と呼ばれる専用の機械で刈り込みを行うのですが、このリールモアの刃の切れ味で芝生の生育が左右されてしまうんです。

切れ味が悪いと、葉先がささくれたようになり、芝生の生育が悪くなってしまいます。

芝生へのストレスをできるだけ小さくするため、毎回、刃の研磨と調整を行っています。

      

ところで・・・

「ビッグスワンの芝生」 一日で、どれくらい伸びるでしょ~か??

        

Img_9657  ←芝生の刈りカスです。       

       

         

正解はないんですが・・・生育が最も旺盛な時期で・・・5㎜ほど伸びるんです!

        

驚き!ですが、これほど伸びてしまうため、定期的な作業が欠かせないんです。

なぜ、定期的な作業が欠かせないか?  葉っぱの1/3以上を一度に刈り込んでしまうと、根の生育を抑制したり強度のストレスを与えてしまったりするので、規則正しく・・・定期的に刈り込みを行っています。

        

Img_3788 ←今日の芝生!

         

        

芝生って、私たち人間と同じ「生きもの」なんです。

ただ・・・“自分からは動けない”“話すことができない”生きものなんです。。。

芝生の気持ちになって、芝生が元気に育つために求められている作業や作業方法を決めているんです!!  ちょっと・・・かっこいい言い方になっちゃいました。。。

        

今回は“刈り込み”を取り上げましたが、これから色々な作業を紹介していきたいと思います。

         

2011年2月28日 (月)

戦闘前の・・・

Jリーグホーム開幕戦まで2週間をきってしまいました。芝生担当者はちょっと焦ってきています!

     

「降るのはスキー場だけにして・・・」という芝生担当者の願いも届かず、今冬は1月7日から降り続いた雪が

緑色の芝生真っ白(←見えないですが白い文字で“真っ白”と書いてあります)に変えてしまいました。

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 ↑ 1月31日のグラウンド  芝生はまだまだ深い雪の中

    

寒~い日が続いていたため、芝生上の雪はどんどん深くなり、最深積雪は50センチにまで達してしまいました。

少しでも早い雪解けを期待していたのですが・・・『も~我慢できない』

ピッチ上に居座っている大雪に退いてもらうことにしました。とは言え、本当に大雪なので、仕方なく除雪機3台の力を借りることに!

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 ↑ “除雪機”フル稼働! “人”も負けずにフル稼働! 

     

『えッ芝生は大丈夫なの!?』 今、そんな悲鳴にも似た皆さんの声が聞こえましたが、心配ありません。

5㎝ほどの雪を残していますので、“芝生まで飛ばす”ようなことはありません。

5㎝ほど残した雪は最後に優しく!優しく!優しく!人の手で芝生の外へ。

    

    

芝生には、栄養満点の“ごはん”をあげ、風邪をひかないようお布団”を掛けてあげます。

    

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 ↑ 芝生にとっては美味しい“ごはん(肥料)”かな・・・?

    

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 ↑ 寒さに負けないよう“お布団(保温シート)”を・・・    ↑ 透明な“お布団”ですが、効果は大きいんですよ!

    

Jリーグホーム開幕戦までのカウントダウンが始まりました。

芝生は今、これから始まる戦闘に向け、寒さに耐え、精いっぱい体力を回復させています。

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 ↑ あと1週間程は“お布団”の中で・・・

    

    

3月12日のホーム開幕戦では、まだまだ本調子とまではいきませんが、私たちのために頑張ってくれている“芝生の雄姿”を、ぜひ見に来てください!

そして、スタンドをオレンジ一色に染め、アルビレックス新潟のホーム開幕戦を勝ち取りましょう!

     

◆Jリーグ ディビジョン1 第2節【ホーム開幕戦】

 3月12日(土)14:00キックオフ  アルビレックス新潟 vs. モンテディオ山形

     

     

芝生を健康に育てるため、これから色々な作業が始まります。

普段は目や耳にできないような裏話も含め、芝生がどのような“生きもの”なのか?を紹介し続けたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。