コンサートでは芝生の上に専用の芝生保護材を設置します!
その保護材は「テラプラス」というもので、芝生保護材の中では最も効果の高いもの!!
このテラプラスはロンドンウェンブレースタジアムのイベント用として開発されたもの!!
でも・・・この保護材も完璧なものではなく、特に“寒地型芝草”には致命的な“傷”を与えてしまいます。。。
そこで・・・
当スタジアムが開発した特別な工法が活躍します!!
“芝生” と “テラプラス” の間に『コアマット』と呼ばれる「芝生保護補助材」を緩衝材として挟みこむことで、致命的な傷みが格段に少なくなります!!
芝生保護用に“色”や“密度”を変えた特注品!
↓ これが芝生保護補助材:コアマット
この芝生保護補助材が芝生を守るために大活躍します!!
(クリック→) “芝生を守るために・・・”
芝生保護補助材は 明日19日午前4時30分過ぎから、芝生全面に設置します。
設置状況は明日の「しばふ物語」の中で・・・
国体のお話 第3弾!! あっという間(?)に最終回を迎えてしまいました!!
第1弾は (クリック→) トッキッキ・・・♪♪♪
第2弾は (クリック→) トキめき・・・新潟・・・
改めて、トキめき新潟国体(国体)&トキめき新潟大会(障スポ)のスケジュールを!!
(クリック→) schedule.pdfをダウンロード
芝生保護のためのネットの設置・撤去には、芝生内の作業時間だけでも、それぞれ2時間ほどの時間がかかります!!
設置作業は芝生利用が終了した後の夜間に! 撤去作業は芝生利用が始まる前の早朝に!
厳しいスケジュールの合間を見ながら芝生保護のために頑張りました!!
最大の難関は10月10日 トキめき新潟大会開会式終了後のネット撤去作業でした。。。
トキめき新潟大会開会式が午後0時に終了し、トキめき新潟大会陸上競技公式練習が午後1時30分に始まります。
ネットの撤去作業に与えられた時間は90分!!
だと思いきや・・・公式練習の15分前には作業を終わらせなければならず、ネットの撤去作業に与えられた時間は75分!!
まだまだ問題が・・・。
この75分間の間にやらなければならない作業が・・・
◇ネットの撤去
◇丸イス1,987脚の撤去
◇投てき競技用の角度表示ライン引き
◇投てき競技用の距離表示ラインテープ張り
←サッカーのラインがあって分かりにくいかもしれませんが・・・
それぞれの作業にかかる時間は!?
◇ネットの撤去 ⇒ 120分
◇丸イス1,987脚の撤去 ⇒ 20分
◇投てき競技用の角度表示ライン引き ⇒ 30分
◇投てき競技用の距離表示ラインテープ張り ⇒ 60分
通常、作業を順番に行えば・・・なんと!!230分の時間がかかってしまいます。
230分かかる作業を75分で行えなければ、芝生を保護するためのネットが設置できない!という状況になってしまいました。
できる限りの調整作業を行いました。
◆ネットの撤去作業
40人ほどの作業員で撤去に2時間ほどかかります。
この作業を30分以内で終わらせるため140人ほどの作業員を集め、更に撤収方法も変更しました。
◆丸イス撤去
国体当局にお願いし、丸イスの撤去を閉会式と並行で作業していただきました。
◆投てき競技用のライン引き(角度表示)+ラインテープ張り(距離表示)
全てラインテープの対応としていただき、芝生保護ネットの設置前にラインテープを張ることにしました。
ここでも解決しなければならない問題が・・・
投てき競技用のラインテープ(白色)を芝生保護ネットの設置前に張ってしまうと、
開会式の演出上、この白いラインテープが支障になってしまうということがあったんです。。。
色々と、知恵を絞りだし、行き着いたものが・・・『ガムテープ』
そうなんです!
“白色のラインテープ”上に“緑色のガムテープ”を貼ってしまえば・・・!!
←写真左はラインテープ、写真右は緑色のガムテープを貼ったもの
緑色のガムテープを貼ると・・・
この“緑色のガムテープ”をラインテープに直接貼ってしまうと、粘着力が強すぎてガムテープを剥ぐのに時間がかかってしまいます。
水を付けて粘着力を弱めようとしたのですが、予想外に粘着力がよみがえってしまい・・・ボツ!
最終的には、滑り止めに使う“炭酸マグネシウム”を付けながら・・・。
↑写真の中にはラインがいっぱい引かれていますが、分かりにくいですよね。。。
分かりにくくなければ困るんですが・・・
締めくくりです!!
丸イスの撤去は開会式と並行で行い、午後0時には“芝生保護ネット”と“ラインテープ”以外、芝生上には何も無い状態となりました。
午後0時から140人ほどの作業員で芝生保護ネットの撤去を始め、並行で“緑色のガムテープ”を剥ぎました。
ガムテープも簡単に剥げ、午後1時には完全に作業を終えました!!!
正直・・・間に合わなければ、大変なことになっていました。
『絶対に終わらせる!』と思いながらも、ヒヤヒヤ! ドキドキ! 生きた心地はしませんでした。。。
長い!長~い!「トキめき新潟国体」&「トキめき新潟大会」が終わりました。
サッカー競技や陸上競技を除いても、30,000人を大きく超える利用者が芝生を利用し、芝生には相当なストレスがかかりました。
それでも“芝生”は一生懸命戦い、ストレスに打ち勝ってくれたんです!
終わってしまえば、忘れ去られがちになってしまいますが、この東北電力ビッグスワンスタジアムで開催された「トキめき新潟国体」&「トキめき新潟大会」は、様々な面で、過去に無い大成功を成し遂げたことを忘れないでください。
国体当局、国体関係者の皆様、色々なご無理をお願いしてきましたが、本当に有難うございました。
“しばふ”&“芝生担当者”より皆さんへ
国体のお話 第2弾!!
ちなみに第1弾は (クリック→) トッキッキ・・・♪♪♪
最悪のケースとして、“芝生の全面張り替え” なんて状態になってしまうことも・・・
「そんな状態にだけはしたくない!」 と、言うよりは 「多少なりとも張り替えたくない!!」
そんな〇〇〇な気持ちで挑み始めた“トキめき新潟国体”と“トキめき新潟大会”
“芝生”という生きものを理解していただくのは大変でした!
でも、国体当局や国体関係者の皆様からは、多方面でご協力いただきました。
今までには考えられなかったことかもしれない・・・練習会場をスタジアムからスワンフィールドへ変更し、スタジアムの芝生利用回数・時間・人数を限界まで減らしていただきました。
最初は、式典・演技練習が14回もスタジアムで予定されていたのですが、最終的には5回(6回のうち1回が中止)まで回数を減らしていただきました。
計画 ⇒ Plan.pdfをダウンロード
それでも、この回数・時間・人数で練習会を行うことで、芝生は相当なダメージを受けることになってしまいます。
そこで!・・・秘密兵器(←武器ではありません。。。)の登場です!!
この薄~いネットが芝生を守ってくれるんです! “見た目”も考慮し、緑色のネットです!!
これまでの各種試験で結果を出した方法です。
芝生は、葉っぱが傷んでも次の新しい葉っぱを出してくれますが、基部(茎の部分)が傷んでしまうと・・・(寒地型)芝生は枯れていってしまうだけなんです。。。
だから・・・基部を守るために、このネットを芝生全面に敷いたんです!!
もちろん、このネットを敷くだけで芝生を守れるというものではありませんが・・・。
半信半疑かもしれませんよね!?
実際に比較してみたわけではありませんが、結果的に芝生は全くと言っていいほど、傷んでいないんです。
使用する物は違いますが、コンサートの時にも同じような考え方で、芝生を守っています。
(クリック→) SMAP。。。Mr.Children。。。EXILE。。。
この手法に賛否両論あるかもしれません・・・。
でも、唯一言えることは「自分にしかできない管理」 ではなく・・・
「自分にしかできないシナリオの無い演出」を目指していきたい!!
そんなふうに思い続けています。
↓8月22日《国体練習開始前》 ↓10月17日《国体終了後》
To be continued!!
昨日のJリーグが終わり、今日は“芝生の休養日”です!
スタジアムの芝生を担当して5年が経ち、色々なイベントを経験させていただきました。
終わってみれば、“貴重な経験”と思えるのですが・・・終わるまでには“苦しい思い”や“切ない思い”そして“〇〇〇な思い”等がありました。。。
今回から、日本のスポーツの祭典でもある「国民体育大会」と「全国障害者スポーツ大会」を数回に分けて掲載いたします。
※連載の間に別の記事を載せる場合があります。
「トッキッキ」
2009年に開催された第64回国民体育大会『トキめき新潟国体』及び第9回全国障害者スポーツ大会『トキめき新潟大会』のマスコットキャラクター。
「トッキッキ」は男の子と女の子ペアでの名前で、男の子の名前は「とっぴー」、女の子の名前は「きっぴー」
『トキめき新潟国体』と『トキめき新潟大会』で実際に芝生上で練習が始まったのは2009年8月23日から計5回、スタジアムの芝生にとって最も苦手な“夏”の利用となってしまいました。
今までに開会式を開催した競技場等では、練習会の利用で、芝生がダメになってしまっていたという話を聞き、2008年から国体当局との調整を行ってきたんです。
「国体の成功」と「芝生の保護」という面から、双方で意見をぶつけたりアイディアを出し合ったりしながら、「国体の成功」と「芝生の保護」を成し遂げたんです!!
どうやって“成功”させたか!? を紹介していきますが・・・
先ず、今回は「トキめき新潟国体」と「トキめき新潟大会」の開会式・閉会式の模様を!!
「芝生の保護」には色々な意味があったんです!
◆芝生自体を守ること!
◆国体等の終了を迎える10月12日の5日後に控えるJリーグでプレーに支障を出したくない!
◆天皇・皇后両陛下がご臨席される開会式で、“緑色の綺麗な芝生”を観ていただきたたい!
◆ 「国体が原因で芝生が・・・」と思われないよう、国体という大舞台で演技をされた皆さんの心に“傷”を残したくない!
◆”新潟人”は成功というゴールに向け、県民が二人三脚で、決して諦めずに最後まで走り切る!
そんな思いから、色々な取り組みが・・・。
次回以降も、ぜひご覧ください!!
昨日の“暑さ”がどこへやら!?
今日はコンサートの話を少し・・・ちょっと話が長くなりそうですがお付き合いください。。。
「タイトル」は2006年以降にビッグスワンでコンサートを開催したアーティストです。
私(K)は2006年からスタジアムの芝生と一緒に歩き始めました。
歩き始めた早々に、『コンサート』 の話が舞い降りてきました。
スタジアムでコンサートを行う場合、芝生を含むグラウンドが“アリーナ席”へと変わります。
そのため、芝生には「テラプラス」という資材を敷き詰め、芝生を保護しています。
↓テラプラス【表面】 ↓テラプラス【裏面】
保護材は数種類ありますが、このテラプラスが最も芝生の保護効果が高く、スタジアムでのコンサートには無くてはならないものになっています。
でも・・・↘↘
コンサートが開催される時期は“夏”の間。。。“夏”と言えば。。。寒地型芝草にとっては一番、元気の無い時期です!!
過去にもコンサートを開催していますが、芝生にはテラプラスの“足跡”がついてしまいます。
その数・・・なんと!!130,000個!!
テラプラスの足跡は、(テラプラスの設置時間や天気によりますが)回復するまでには2週間以上かかります。最悪の場合は枯れてしまいます。
そんな状況を“見たり”“聞いたり”していましたので、寒地型芝草にとっては“コンサート”と“サッカー”の両立は絶対に不可能。。。
でも・・・↗↗
“県民の皆様からの期待” “新潟の活性化” “関係各位のご尽力” “アーティストからのコンサート新潟開催希望” 等を繰り返し考えていると・・・『コンサートとJリーグの両方を成功させなければ・・・』という気持ちが日に日に強くなり、とうとう我慢ができなくなってしまいました。
同時に『Jリーグでも恥ずかしくない芝生づくり』に向けた対応を考え始め~(スミマセンが省略します)~コンサート後、“鳥肌”が立ってしまうくらい、コンサートがあったことを疑うくらいのきれいな芝生が“顔”を見せました。
☆平成19年《コンサート:8月11日》
↓8月6日【コンサート前】 ↓8月15日【コンサート後】
☆平成22年《コンサート:8月10日》
↓8月6日【コンサート前】 ↓8月17日【コンサート後】
『どうして芝生が傷んでないの・・・!?』
その理由は、従来の「テラプラス」と“芝生”の間に、3㎝ほどの、ある・・・緩衝材を入れました。
『緩衝材が有ると無いでは、どれくらい違うの?』
芝生の傷みが全く違います!!
下の写真は、どうしても緩衝材を敷くことができず、テラプラスだけだったものです。
ちなみに・・・緩衝材を入れると、こんな感じです!!
この工法は全国でも初めての取り組みで、特許出願・公開中です!!
これからも、芝生のプレーイングクオリティーを確保しながら、自分にしかできない芝生管理を精一杯やり通し、新潟県民の皆様が他に誇れるスタジアムであり続けられるよう頑張ります!
長~くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。。。